銀行で借入金利を引き下げる5つのポイント【※経営者は必見です】
■こんにちは、naoblogのだっちです。
経営者の悩みである『銀行借入の金利が高いから、引き下げしたいがどうすればいい?』
こういった疑問にお答えします。
☑️ 本記事の内容(融資金利を下げるために)
・銀行が金利を安くする理由【前提の理解】
・まずは資本を手厚くすること(事前準備)
・預金取引を深耕しよう
・ほかの銀行に足を運ぼう
・支店長・課長・次長・代理クラスの役職員に漬け込もう
この記事をかいてる私は金融業界にどっぷりして5年、法人個人事業者合わせて300以上の企業様と関わらせていただきました。
営業コンサル大会では準優勝の成績を納め、他業界であるTECH::CAMP(プロのエンジニアスキルを学ぶ学校)を卒業。
現在の職業は経営コンサルタント兼フリーランスエンジニアとして活動しています。
いままで節税、創業、M&A、事業承継、廃業と様々な相談と経験を乗り越えてきました。
こういった元金融のプロが『銀行で借入金利を引き下げる5つのポイント』をリアルでまとめました。
銀行が金利を安くする理由【前提の理解】
■前提の理解として銀行は全ての企業に対して金利を低くすることはできません。
・例えばあなたが誰かにお金を貸す際、友達に貸すパターンと友達の友達にお金を貸すパターンでは
心理状態が全然違いますよね??
信用のある友達にはお金を貸していいと感じるけど、友達の友達には不安でいっぱいなはずです。
銀行側も同じで、信用力の高い会社には金利を引き下げ余地がありますが、自分が借りたい時だけ懇願してくる企業にたいして
余所で借りてもらえとなる心情はお分かり頂けるはずです。
銀行側・企業側のどちらが偉いという問題ではなく、常に対等な存在であると私は考えます。
つまりここで言いたいのは、『銀行側が金利を引き下げるための理由』を作っていかなければならないということです。
この記事では、その取組方法を記していきます。
まずは資本を手厚くすること(事前準備)
まずは資本の部分です。
ここでかく資本とは、①資本金のこと②純資産のことを表します。
順番に説明すると
①まず資本とは▶︎ 簡単に表すと会社の体力(運転資金)です。
株式会社設立の際、資本金が必ず必要なのであなたの会社にも資本金が存在しているはずです。
従来は設立時、1,000万円以上必要だという規約がありましたが、現在は1円でも資本金として認められています。
会社の決算で赤字がでた場合、その赤字はどこにいくでしょうか?
まずはこの資本金を切り崩して会社の経営を成り立たせていることになります。
会社は資産(プラス要因)、負債(マイナス要因)、純資産(プラスにもマイナスにもなり得る要因)で成り立っています。
☑️ 資産 = 負債 + 純資産
純資産の中に資本金が入っているので、イメージして頂くと
赤字ばっかり出していたら、資本金が食いつぶされ、資産 < 負債 の状態にはいってしまうため
『債務超過企業』として認定されてしまいます。こうなると厄介かつ資本金は社会的信用にも繋がるため侮ってはいけません!
②純資産とは?
①の説明で少しでてますが、これはプラスにもマイナスにもなり得る要因です。
資産 | 負債 |
純資産(資本金 and 繰越利益剰余金 or 繰越損失) |
■毎期、決算ごとに赤字をだす企業を例にすると
①赤字を出し続けていたら、繰越損失に蓄積されていきます。
②次に資本金(会社の体力)がくいつぶされてしまいます。
③会社の資産として見れる部分より負債の割合が大きくなってしまう(資産 < 負債)
④結果、『債務超過先』として認定。(印象が悪い)
■毎期、決算ごとに黒字をだす企業を例にすると
①黒字を出し続けていたら、繰越利益剰余金に蓄積されていきます。
②繰越利益剰余金が蓄積されていくことで、資本金と合わせて会社の体力が加算されていきます。
③純資産の割合が大きくなっていくことで、会社の資産としての割合が大きくなっていくる。(資産 > 負債)
④結果、『資産超過先』として認定。(印象が非常に良い)
✅繰越利益剰余金・・・決算が到来する度、最終の当期純利益の利益部分が蓄積されていくもの。
☑️繰越損失・・・決算が到来する度、最終の当期純損失の▲部分が蓄積されていくもの。
■あなたの会社が『資産超過先』か『債務超過先』かによって融資審査の基準に大きく変化します。
☆決算時期が到来する前に担当税理士と相談して、資産超過企業になることが大事です!
預金取引を深耕しよう
預金深耕とは、『定期預金・積立定期のようなもの、中長期的に銀行に預金を預けておくこと』です。
もしあなたの会社が『融資金利以上にほかの投資で稼いでいけるよ』という場合であれば預金深耕を図る必要はありません。
ただ預金深耕は定期で得た金利を目的に推進しているものではないからです。
✅ 預金取引を深耕するメリットを大きく3つ挙げられます。
①要り用があるときには、いつでも解約することできる!(※原則満期がくるまでは解約不可となっていますが)
➡︎メイン口座と別に預けておくことで、余裕資金ができる。
②各会社の決算内容・業種に応じて、基準金利が定められています。
➡︎銀行側からすると中長期的な預金を預けて頂いているため、保全を図ることができ基準金利の引下げが可能。
③銀行側に融資審査するときの材料を与えることができる。
➡︎多少厳しい審査状況であっても、預金取引を深耕しておくことで、
銀行の上席が審査本部に対して返し文句をいうことができ、審査を前向きに取組しやすくなる。
例)確かにこの企業は資金繰りが厳しく債務超過企業ではありますが、売上入金もウチで指定してもらっていて、業況管理が可能であり、預金取引においても深耕が図れています。また借入金の一部は役員借入金であり、実質長期的な借入は○○しかありません。自宅においても権利関係がなく、個人資産の厚い企業であります。
などと専門的な話になってしまいましたが、材料を分け与えておくとこのように返し文句をペラペラと述べることができるのです。
✅預金取引は定期預金や積立定期以外に、売上金の入金なども含まれます。
取引相手先から、振り込まれた売上金を確認することで、会社の経営状況を把握することができ、信頼度が爆上がりします。
☑️融資取引をしている銀行以外で預金取引しているのであれば、意味がありません。
融資取引のある銀行に切り替えることをおすすめします。
ほかの銀行に足を運ぼう
■あなたの取引してる銀行は何先ありますか?
何先も取引している企業に対しては審査に慎重になる一方、銀行側からの印象はあまりよくありません。
個人的な見解としては、『会社の規模に応じて取引数を変化していくこと』が重要だと考えています。
①小規模事業者・・・1つの(銀行or信用金庫) + 日本政策金融公庫
②中規模事業者・・・3〜4つ(2つの銀行+信用金庫1つ)
③その他事業者・・・5つ(このレベルの企業になると会社の意思決定を個人で決めることができない為、会社の色によって変化します)
✅ 小規模事業者の売上推移▶︎ 約1億円未満の企業
✅ 中規模事業者の売上推移▶︎ 約1億円〜10億円未満の企業
☑️その他事業者の売上推移 ▶︎ 10億円以上の売上
■銀行に融資を申込む際、1つの銀行だけに申込みすることは正攻法ではありません。
上記の会社規模にもよりますが、メインの銀行やサブ銀行に対して金利引下げを要望することができます。
銀行側からすると他行攻勢が激しいため、金利引下げをしなければいけない状況になるのでオススメです。
※注意点:ある程度メイン銀行と深耕を図れている企業に限ります。
あまりにしつこく他行金利を提示しすぎることもよくありません。
他行(他の銀行)の融資提案を受けたときにその提案書等をもらっておくことが重要です。
支店長・課長・次長・代理クラスの役職員に漬け込もう
漬け込もうという言い方は失言かもしれませんが、いわば仲良くしておくとメリットがあります。
経営者さんであれば、銀行の担当が基本的に就くことをご存知かもしれませんが、ただ基本的に役職のついていない末端の担当がほとんど。
なので、できるだけ上席クラスの役職員と距離を縮めることで、融資申込時に勢力的かつスピーディーに動いてもらえる。
また末端の担当であれば、『企業価値を理解できていない担当』や『理解していても伝える力がない人』も多くいるのが現状です。
☆私もある企業に対して融資が難しいと感じても、上席がその企業を知っていれば即座に審査を通すことも実際できました。
✅ ポイント(銀行にわたせる材料項目)
・会社でなく、個人預金(個人資産がどれだけあるか)
・持ち家があればその権利関係(住宅ローンが残っていれば担保が入っていて、なければどこの権利関係もついていない状態)
・取引先との関係値(珍しい取引先があれば、これも材料の一つです)
・家族経営であれば、家族の預金や不動産情報
・他行(他の銀行)での借入状況・金利情報
まとめ
①取引金融機関に対して、金利を下げる材料を渡してあげましょう!
②『債務超過』企業にならないように、決算前には担当税理士をしっかり対策を考えましょう!
③預金の取引深耕できるように、自分の武器(不動産、個人資産)等がないか今一度確認してみましょう!
④他行(他の銀行)でも同時平行で融資申込み!
金利の低い銀行の提案書を高い銀行(メイン銀行)にもっていくことでプレッシャー与えましょう!
⑤お金が絡んでも審査するのは『人』担当だけでなく、役職持ちの人の懐に入り込みましょう!
…そうすれば自ずと色んな情報を教えてもらえるようにもなります。
最後に
☆みなさま、金融機関の印象はいかがなものでしょうか?☆
■金融機関とはつめたいもので、業績が良いときはほいほい寄ってきて、業績が悪くなった途端ソッポをむく生き物ですよね。
特に銀行系列が大きくなるにつれて、その傾向が見られます。
✅よくお客様のそのような“困ったときには助けてくれない"という声を耳にしてました。
しかし銀行にも立場があって返済の見込みがない企業に対して融資をすることができないのが本音です。
『今年に大きな取引があるから!それで売上がはいるから返済できる!』と伝えても
銀行側は『未来の話をしているのではない、今!の話をしている、今返済できないのであればどうしようもない』
☑️これが半沢直樹ばりのリアルな現状であります。
つまり銀行をうまく利用するならば、『業績が良いときに低金利で資金調達することが一番のオススメ』です。
もうご存知の方は多いでしょうが、コロナウイルス対応借入という商品が2020年4月頃から始まりました。
日本政策金融公庫をはじめ、5月から地域金融機関でもより低金利(※地域によって異なる)で資金調達することが可能となりました。
是非この商品を利用することで、既往の借入(高い金利の商品)を返済していくことをオススメします。
というわけで、今回の記事は以上となります。
少しでもあなたの会社で活かせる知恵となれれば幸いです。